村山優子君は、長年にわたり、インターネット、セキュリティ、安心とトラスト、災害情報処理、最近では、バリアフリー化のための情報支援の研究に従事してこられました。
津田塾大学を卒業後、企業勤務を経て、英国ロンドン大学(University College London)大学院を修了され(Ph.D.、1992年)、帰国後は広島市立大学講師、岩手県立大学助教授・教授、津田塾大学教授を経て、2019年より津田塾大学数学・計算機科学研究所 特任研究員として、我が国における当該分野のパイオニアの1人として、先駆的研究成果をあげられるとともに、国際研究交流活動を通し、博士課程学生など若手研究者を育成されました。
さらに、当分野の研究活性化と学会運営には大きな役割を担われ、情報処理会では理事、監事、セキュリティ委員会委員長、コンピュータセキュリティ研究会主査などを歴任されております。中でも、セキュリティ心理学とトラスト研究会には、設立から関わり、主査を務められ、当該分野のコミュニティを牽引し、国際会議論文の勉強会を企画するなど高度人材育成に尽力されました。
英国留学で培われた語学力とコミュニケーション力で、国際的に広く厚い研究者ネットワークを築き、情報通信関連分野の国際交流に大きく貢献をなさいました。また、情報処理国際連合(IFIP)では、セキュリティとプライバシー保護委員会(TC 11)の委員長やIFIPの副会長に、日本人女性として初めて選出され、我が国を代表した強いリーダーとして国際的に認められております。
以上のように、同君が、高度な情報技術の研究・発展と高度な人材育成に尽くした貢献は、誠に顕著であります。